新年度になり、GWも終わり、気づけば夏目前です。
そろそろ 学校歯科検診の時期ですね。
毎年度 4〜6月に学校での検診が行われます。
これまでに、お子さんが検診の結果の紙をもらってきて
急いで歯医者に連れて行った、という経験のある保護者の方も多くいらっしゃるかと思います。
逆に、毎回「異常なし」なので歯医者には連れて行ってない、という方・・・
良さそうに思えますが、実はかなり要注意です!!
「学校での歯科検診」と「歯科医院での検診」なにが違うのか??
について、お話ししたいと思います。
まずは「学校歯科検診」
これはいわゆる“スクリーニング検査”といわれる種類の検査で、無症状の者を対象に、疾患の疑いのある患者を発見することを目的に行う検査の事です。
すなわち、疑いがある、ない、を大まかにふるいわけている検査なのです。
「学校歯科検診」の特徴としては、
〇歯科医院で使用する照明に比べて暗い
〇1人の先生が限られた時間の中で多数の人数を診る
〇レントゲン撮影ができない(精密審査できない)
〇使用出来る器具が限られている(主に歯科用ミラー)
「歯科医院での検診」の特徴は
〇歯科専用の明るいライトの下で、お口の中を 隅々まで診る事ができる
〇患者さん一人ひとりに十分な時間を確保できる
〇レントゲン撮影をしてより精密な診査診断ができる
〇歯石やプラークなど汚れを除去した上での診査が可能
〇検査に必要な様々な器具・機械が揃っている
学校検診で「異常あり(虫歯あり)」だったが
歯科医院に行くと大丈夫と言われた。
またはその逆で、学校検診では「異常なし」だったのに
歯科医院での定期検査で「虫歯がみつかった」という
こともわりとよく起こってしまうのです。
なぜこんな事が起こるのか??
それは上記お伝えした通り、学校歯科検診と歯科医院での検診の様々な条件の違いが関係していると考えられます。
「んー、なんかここ黒っぽく見えるなぁ。でもライトが暗くてよく見えないな。もしかして朝ご飯の食べカスが挟まってるだけかな?でも虫歯かもしれない!」
→この場合、学校検診ではチェックが入ります。本当にただの食べカスだった場合は、歯科医院では異常なし、とされます。
「歯の表面にかなり分厚いプラーク(白いモコモコした汚れ、細菌の塊)がべったりついている!!この汚れの下はどうなってる??でも目で見て明らかな虫歯は今のところ見えないなぁ。」
→この場合、虫歯はなさそうだが、歯肉炎あり、歯科医院へ行きましょう、となります。
歯肉炎程度なら…虫歯はないから大丈夫だね、と勝手に判断して歯科医院を受診しなかった場合、その分厚い汚れの下に虫歯が隠れているかもしれません!!
結果として、学校歯科検診はあくまで
「スクリーニング検査」である、という事をご理解いただき
たとえ異常なしの判定であったとしても
「必ず」定期的に歯科医院を受診しましょう!
最近、たまたまSNSで見かけた歯科検診に関する話の中で
「学校の検診で引っかかった事ないから一度も歯医者に行ってない。」と言っている人がたくさんいたので、これは大変だ!と思い、ブログに書きました。
※歯科医師の先生達は、学校歯科検診の見えずらい環境
の中でも、しっかり診査してくださっています。