こんにちは。

名古屋市西区浄心にある予防歯科の歯医者さん　「佐藤歯科クリニック」です。

 

今回のテーマは　《妊娠中・授乳中の歯科での麻酔、大丈夫？》　とい内容でお伝えします。

 

妊娠中・授乳中に麻酔が必要な虫歯ができてしまった。

お腹の赤ちゃんや、おっぱいを飲んでいる我が子への影響は大丈夫なのか？？

皆様、ご心配になると思います。

 

今回はその所について、ご説明いたします。

 

妊婦さん、授乳中の方に対する歯科局所麻酔薬の安全性は、いまだ多くの点が明らかではありません。

 

局所麻酔薬の添付文書を見ると、妊婦さんへの投与について　ほとんどの薬剤が

「妊娠の可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する」と記載されています。

また授乳中の方への投与については何も記載されていません。

 

では、妊娠中・授乳中は歯科局所麻酔薬は使用できないのでしょうか？？

 

妊婦さんが薬剤に対して最も注意する必要があるのは、妊娠４週から７週です。

この時期は器官形成期にあたり、胎児の中枢神経・心臓・消化管・四肢などの重要臓器が発生、分化します。

そのため、薬剤による催奇形性が懸念されます。

この時期では局所麻酔は控えた方がよいと思われます。

また妊娠８週〜１５週でも器官の分化や口蓋閉鎖がおこるため、薬剤による催奇形性が懸念されます。

 

このように、妊娠４ヶ月までは胎児の発生・分化がみられるため、できれば局所麻酔薬は控えた方が良いと思われます。

 

 

ここで更に詳しく、歯科医院で使われる局所麻酔薬についてご説明します。

専門用語がたくさん出てきますので、苦手な方は飛ばして頂いて大丈夫です。

 

 

歯科医院ではアドレナリン添加２%塩酸リドカイン製剤（オーラ®注歯科用カートリッジや歯科用キシロカイン®カードリッジなど）が多く使用されています。

リドカインは胎盤を容易に通過します。大量投与で子宮血流量が減少し、胎児が死亡することがあります。

しかし、通常の歯科治療での使用量（カートリッジ２〜３本）では問題ないと思われます。

 

また血管収縮薬として添加されているアドレナリンは、通常の使用量では弱い子宮弛緩作用により胎盤血流量は増加するとされていますが、大量投与により逆に子宮収縮がおこり、胎盤血流量低下による胎児の酸素欠乏が生じる可能性があります。

 

さらに歯科医院ではフェリプレシン添加塩酸プロピトカイン製剤（歯科用シタネスト・オクタプレシン®）も多く使用されています。

プロピトカインも胎盤を容易に通過します。大量投与によりメトヘモグロビン血症が発現し、胎児の酸素供給が減少する可能性があります。

加えてプロピトカインは母体濃度により胎児濃度が高くなるため、使用を避けた方が安全とされています。

また血管収縮薬として添加されているフェルプレシンは、子宮収縮作用と分娩促進作用があるため、妊娠後期（妊娠８ヶ月以降）は使用を避けた方がよいとされています。

 

これらにより、妊婦さんへの局所麻酔薬投与はアドレナリン添加２%リドカイン製剤が適していると思われます。

 

参考文献　　WHITE CROSS

 

 

かなり難しい内容だったと思います。

でも読んで頂いて、どう思われたでしょうか？

 

いろいろな恐ろしい副作用がたくさんで、できれば麻酔の薬はお腹の赤ちゃんのためにも使いたくないなあと思われたのではないでしょうか。

 

その気持ちが大切だと、私たちは考えます。

 

妊娠中に局所麻酔薬を使わなければいけない歯科治療を受けないですむようにする為には、どうしたらようのでしょうか？

 

答えは簡単です。

妊娠する前から、定期的に歯科医院に通い。

検診とメインテナンス（クリーニング）をしっかりと受けて下さい。

 

そうしたら、妊娠中に多くの心配を抱えながら麻酔を伴う歯科治療を受けることはなくなります*\(^o^)/*

 

 

 

でも、万が一　妊娠中の歯科治療が必要になったら。

どうかご安心くださいね。

 

最初に書かせて頂いたような、しっかりとした知識をもって。

皆様が安心・安全に治療を受けていただけるように。

私たちは全力をかたむけます。

妊娠中の歯科治療は、安定期（妊娠５〜７ヶ月）に行います。

 

とにもかくにも。

妊娠中は精神的にも不安定になりやすいので、治療の痛みやストレスで過換気症候群や血管迷走神経反射（わかりやすくいうとショックのような症状）がおこりやすくなります。

 

なるべく妊娠中に麻酔をともなう歯科治療を受けないですむように。

特に女性の方は、赤ちゃんが欲しいなあと思い始めたらすぐに！

歯科医院へ足を運ぶようになさって下さい。

そのことが、元気な赤ちゃんを産む、マイナス２歳からの口腔育成に繋がっていきます。

 

もし周りに妊活中の女性のお知り合いがいましたら、ぜひ教えて差し上げてください❤️

 

 

そして、めでたく妊娠が判明したら。

体調のよい時に歯科医院へ来てくださいね。

妊娠中は歯茎が腫れやすかったりしますし、歯周病菌は早産や低体重児の原因になりますので、しっかりクリーニングを受けて頂きたいです😊

 

そのあたりのお話は、またの機会に歯の健康でお伝えさせて頂きます。

 

読んで頂きまして、本当にありがとうございました(^ ^)

 

 

名古屋市西区花の木のやさしい予防歯科の歯医者さん

佐藤歯科クリニック　〜浄心　歯の健康と歯並びのクリニック〜